ヴェルヌ読書会終了。次回は『蘆屋家の崩壊』

ジュール=ヴェルヌ『海底二万里』読書会はfuchi-koma用事があって途中から参加しました。
最終的な参加人数は5名…6名…だったかな。
あの日はちょっとばかし情緒が不安定だったので記憶が信用なりません。
ネモ船長の株がだんだん落ちていって最後にはネモ船長はへたれ男だったという結論に辿り着いたことはよく覚えていますが。あとはみんなヴェルヌの描写が美味しそうだったという話ですね。陸に上がった時に食べるパンの実を焼いたパンとか、ノーチラス号で出される海藻のジャムってのはどんなものか、といった話で盛り上がりました。最近読んだ小松左京の『日本アパッチ族』も鉄を食べる描写や鉄の料理法が実に生き生きとしてうまそうでしたが、こういう思わずノドを鳴らすような食事描写って、すごく印象に残るんですよねぇ。

  • 科学的ツッコミとか
    • 海底は最深部でも深度18,000メートルはない。最も深いマリアナ海溝チャレンジャー海淵で10,911メートル。しかしヴェルヌの時代は深度1000メートル潜れる潜水艇もなかったのだから調査不足ではない。
    • 最大の鯨が56メートルあったという、さも真実らしく書かれた部分もフィクション。ギネスブックに載ったものでも最大34メートル。(こういった指摘が必要なほどヴェルヌの記述は〝真実らしく〟書かれているのだ。空想科学の真髄というのはこういった「真実でない話を、さも真実らしく描く」姿勢ではなかろうかと思う)


ところでオタクなfuchi-komaは本書を読んでいる間は常に『ナディア』をイメージを想起せずにはいられず、fuchi-komaにとってネモ船長はあの「私を艦長と呼ぶな。これは軍艦ではない」のネモ船長であり頭の中に響く声は大塚明夫だったんですが、今回ナディアを経験していたのは司会のYさんとfuchi-komaだけだったので、そーゆー脱線は出来ませんでした。脱線好きとしてはちょっと残念だったり。νノーチラスとかレッド・ノヴァの話をさぁ……ま、それはまた別の機会にね。



さぁて次回読書会は8月6日、お題は津原泰水『蘆屋家の崩壊』、司会は二年生S木君です。

蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)

蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)