神様のパズル

神様のパズル

 噂に聞いていたよりもハードSFというか物理学の話が頻出だったので、少々弱りました。青春エンタの形式をとってはいますが、少なくとも「ニュートリノ」や「シュレディンガーの猫」などの語にトキメキを覚える人じゃないと、この辺のおカタイ話が多いので、一般の方には薦められないかなぁと思います。
 数式を抜きにしてこの辺りのセオリーを語れるというのは凄い事なのでしょうけど、だからといって「物理なんて好きじゃなかったけど、この本を読んだら好きになれたよ☆」という類の本ではなくて、どちらかというと「頭は文系で数式は苦手だけど、宇宙創生(ビッグバン)とかブラックホールとかには興味あるよ〜」という方向けになるんじゃないでしょうか。
 でも。物理は高校で一年間学んで、何となく理解したような気になってテストでボロボロになっていた文系トリ頭のfuchi-komaには、穂瑞ちゃんの物理話がイマイチ判りませんでした。私の脳のCPU問題もありますが、この辺の「素人にも解かり易く説明する」技術にかけては機本さんの力不足を感じ、山本弘さんなどの方が数歩先を歩んでいるようです。
 しかし意外だったのは40歳代後半という著者の年齢。D・Kさんの萌え〜な表紙イラストのお陰で、すっかり若い著者が書いているのだと騙されていました。